与野党は2日、新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少した事業者に国が支払う「持続化給付金」の委託事業を巡る問題などを受け、衆院経済産業委員会など3委員会で3日に集中審議を行うことで合意した。野党はこの問題に加え、黒川弘務・前東京高検検事長に対する処分、今年度第1次補正予算に盛り込まれた「GoToキャンペーン」の事務委託費が多額に上る問題を「疑惑3点セット」と位置づけ、3委員会で一斉に追及する方針だ。

 立憲民主党の安住淳国対委員長と自民党の森山裕国対委員長が会談し、3日の衆院経産委、国土交通委、内閣委の開催で合意した。持続化給付金の業務は769億円で委託を受けた民間団体が、広告大手の電通に749億円で再委託している。安住氏は20億円の差額について「国民が困っているときに、上前をピンとはねて、再契約するなんてとんでもない」と批判した。

 国交委では、新型コロナ収束後の需要喚起策「GoToキャンペーン」(約1・7兆円)の事務委託費を最大3095億円と見積もっていることについて「割合が多すぎる。再委託などのからくりがあるのではないか」(野党関係者)などと追及する。内閣委では、黒川氏を訓告処分にとどめた問題を巡り、官邸の関与の有無をただす見通しだ。

 野党は「政権はコロナのどさくさに紛れ、おかしな予算や人事をやった」との見方を強め、安倍晋三首相が出席する衆院予算委集中審議の今週中の開催を要求している。与党が拒否を続けた場合、「4、5日は他の委員会を開かせない」(安住氏)と対決姿勢を強める構えだ。【宮原健太】

毎日新聞2020年6月2日 21時15分(最終更新 6月2日 23時03分)
https://mainichi.jp/articles/20200602/k00/00m/010/237000c