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時事通信

養殖カンパチに名前を!  20万匹廃棄の危機 ブランド化に活路・新型コロナ
野見湾の養殖いけすからカンパチを引き揚げる西山慶組合長=5月22日、高知県須崎市
 新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、飲食店の営業自粛で出荷先が激減した高知県須崎市の漁協が、高級養殖カンパチのブランド化に乗り出した。

 「#20万匹の名無しのかんぱちに名前を」のハッシュタグを付け、ツイッターで公募。知名度を上げ、一般消費者など新たな顧客への売り込みを目指す。

 同市の野見湾産の養殖カンパチは、淡水浴や生イワシなどの餌で育てられ、みずみずしい食感が特長。全国から引き合いがあり、年間約40万匹を出荷する。野見漁業協同組合の西山慶組合長(41)は「天然物にも負けない味だ」と胸を張る。

 しかし、新型コロナの流行で状況は一変。出荷量は5分の1程度まで落ち込み、20万匹のカンパチが行き場を失った。西山さんは「このままでは廃業する業者も出る」と危機感を募らせる。

 窮余の策で出たアイデアが、カンパチに名前を付けてブランド力を向上させ、新たな売り先を見つけること。西山さんは「知名度を上げれば、新たな飲食店や一般消費者など、販路拡大につながる」と期待を寄せる。これまでに「龍馬カンパチ」「よさこいカンパチ」など600件以上が投稿されたという。

 須崎市なども取り組みを全面的に後押しする。市のご当地キャラ「しんじょう君」を使ってPRをする通販サイトで5月22日から、3割引きで販売したところ、全国から注文が殺到。約9000万円を売り上げ、新たに都内の飲食店や大手スーパーマーケットなどから声も掛かった。

 ただ、育ち過ぎた養殖カンパチは味が落ちる。年間1億円以上の餌代の負担も重く、さらなる販路拡大は不可欠だ。出荷時期を過ぎれば廃棄処分もあり得るという。西山さんは「組合員が一生懸命育てた魚。何とかしたい」と窮状を訴え、「野見湾のカンパチを思いながら名付けてほしい」と話している。 

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