6/25(木) 9:29配信
毎日新聞

児童それぞれの机に設置された感染防止のパーティション=埼玉県草加市草加小で19日午後(草加市提供)

 新型コロナウイルス感染予防のため、老舗の段ボール製造「八木段ボール」(埼玉県八潮市西袋、八木博史社長)が学校用のパーティション(仕切り)を開発し、地元の八潮・草加両市の小学校2校に計1325個を寄贈した。現場の先生から意見を聞き「視野が広く、軽くて扱いやすいように」と工夫を凝らしたものだ。

 同社は1932年創業で、従業員64人。5月、コロナ禍の中で「学校再開時、感染リスクを減らすために何かできないか」とパーティション製作を発案。草加市立草加小に1年生と3年生の娘2人が通う八木敏也専務(45)をリーダーに、同小と地元の八潮市立大原(だいばら)小と協議し試作を繰り返した。

 完成したのは高さ120〜140センチの段ボール製パーティション。児童用の机を囲むように床に置き、上部に透明フィルムが張ってある。当初コの字形に机の左右・前面を囲み、上部を窓のようにくりぬいて試作したが、「黒板が見えにくい」「圧迫感がある」などの意見から机の前と左を囲むL字形に、フィルム部分も段ボールをU字形に切り取るなど改良。足先がぶつからないよう前接地部をくりぬくなどした。

 19日には草加小で寄贈式が開かれ、八木専務は「児童や先生、保護者の不安が少しでも和らげば」と、児童全員分のパーティション725個を贈呈。中村俊臣校長は「子どもたちの安全と学習の場を守れる。感謝でいっぱいです」と答えた。さっそく教室で設置した子どもたちは「友達と安心して話せそう」「授業に集中できる」と笑顔を見せた。

 同社は大原小にも児童全員分600個を寄贈した。

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