2020年7月2日 20時30分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200702/k10012492491000.html

ロシアの憲法改正の是非を問う全国投票は開票が終了し、賛成が78%近くと反対を大きく上回り、憲法は改正されることになりました。これによって、プーチン大統領は現在の任期が切れたあとも最長で2期12年、2036年まで続投することが可能となり、プーチン氏の今後の出方が焦点となります。

ロシアで1日に行われた憲法改正の是非を問う全国投票について、中央選挙管理委員会は2日、開票が終了し、賛成が77.9%となり、反対の21.2%を大きく上回ったと発表しました。

パムフィロワ委員長は「結果に影響を与えるようなことは起きていない」と述べ、深刻な違反は確認されず、投票結果は有効だとしています。

これによって憲法は改正されることになり、プーチン大統領は今の任期が切れる2024年以降も立候補することに道が開かれ、最長で2期12年、2036年まで続投することが可能となります。

一方、野党勢力の有力な指導者ナワリヌイ氏は「ロシアは偽の投票結果の記録を打ち立てた。発表された結果なんて世論とはかけ離れたものだ」とツイッターに投稿するなど、反発を強めています。

プーチン大統領は「続投」という新たな選択肢を得て、最大限、権力を維持し続け、今後もロシアの国家運営の在り方をみずから決めていくものとみられ、実際に次の大統領選挙に立候補するかなど、今後の出方が焦点となります。


官房長官「関心持っていることを伝えている」

菅官房長官は、午後の記者会見で、北方領土問題を含む平和条約交渉への影響について、「交渉がまさに進められている中、わが国の具体的な方針や進め方は、外交交渉の機微に触れる問題であり、答えを差し控えたい」と述べるにとどめました。

そのうえで、「ロシア側には、憲法改正の動きに、日本として関心を持っていることをしっかりと伝えている。領土問題を解決し、平和条約を締結するという基本方針のもとに、引き続き、粘り強く取り組んでいく考えに変わりはない」と強調しました。


元島民「これまで以上に強い姿勢で交渉を」

北方領土の元島民などでつくる千島歯舞諸島居住者連盟の河田弘登志副理事長(85)は「領土の返還交渉に今後どう影響するのか不安だ」と述べました。

そのうえで、「改憲があっても、日本側はこのままの状態にしておかないはずだ。これまで以上に強い姿勢でロシア側と交渉に当たってほしい」と話しています。