イギリスで、人種差別への抗議デモによって引き倒された奴隷商人の像があった場所に、デモに参加した女性をモデルにした像が置かれましたが、地元の自治体によって、わずか1日で撤去されました。
イギリス南西部ブリストルで先月、人種差別に抗議するデモが行われた際、17世紀の奴隷商人の像が引き倒されて川に投げ込まれ、その後、台座が残されていました。

今月15日に、こぶしを突き上げている女性の像が、制作したアーティストによって、この台座の上に設置されましたが、ブリストル市は16日、設置されてから、わずか1日で撤去したことを明らかにしました。

制作したアーティストは、この像は奴隷商人の像が引き倒されたあと、台座にあがってこぶしを突き上げた女性をモデルにしていると説明していました。

この像については、人種差別に対する強い抗議を示しているとして歓迎する声があがる一方で、ブリストルの市長は、許可を得たものではないとして、何を設置するかは市民が民主的な手続きにのっとって決めるべきだという考えを明らかにしていました。

イギリスには、各地に奴隷貿易と関わりがあった人物や、植民地主義の時代を象徴する人物などの像があり、こうした像の撤去の賛否をめぐって議論が続いています。
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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200716/K10012519511_2007162127_2007162346_01_02.jpg

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