原子力規制委員会は29日の定例会で、日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)について、稼働の前提となる安全審査の合格を正式に決めた。原子力発電所で使い終わった核燃料を再利用する政府の核燃料サイクル政策の要の施設は20年以上遅れている完成に向けて一歩踏み出す。残りの規制手続きや安全対策工事の完了などに1年以上を要する見通しで、稼働は2021年度以降となる。

規制委は再処理工場の安全対策の基本方針について、11年の東京電力福島第1原発の事故後にできた新規制基準に適合すると判断した。

再処理工場は全国の原発で出る使用済み核燃料から、原子炉内で燃えやすいプルトニウムとウランを取り出して、再利用するための施設だ。最大で100万キロワット級の原発40基分の使用済み核燃料を再処理できる。

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