ホンダと米ゼネラル・モーターズ(GM)は3日、北米の四輪事業で戦略提携を検討すると発表した。エンジンやプラットホーム(車台)の共通化、基幹部品の共同購買を検討する。両社でコスト競争力を高め、中国に次ぐ世界第2位の北米市場で一段の収益拡大をめざす。

ホンダは車台の共同開発など具体的な作業について、2021年初めにも始めるとしている。今回の検討範囲は北米での業務展開に限られ、現時点で資本提携などは検討していないという。

ホンダにとって、北米は19年度の四輪事業の売上高約10兆円のうち6割弱を占める最重要市場だが、足元では新型コロナウイルスの影響もあり、販売が急速に落ち込んでいる。一方、GMはここ数年、米工場の稼働率低迷などに直面している。ともに同地域での事業効率化が急務だった。

ホンダとGMはこれまで次世代技術を巡って提携を進めてきた。13年に燃料電池車(FCV)で提携した。18年にはGMの自動運転分野の開発子会社への出資を発表。20年4月には、電気自動車(EV)2車種を共同開発し、GMの工場で生産してホンダが米国などで販売することを決めていた。

今回の提携のようなエンジンや車台の共通化を進めてコスト競争力を高める手法は仏ルノーや日産自動車、三菱自動車の3社連合が先行している。自動車業界では近年、EVや自動運転といった次世代技術をめぐる提携が相次ぐ中、比較的早くシナジー効果が出やすい分野で広範に手を組むことになる。

日本経済新聞 2020年9月3日 21:32 (2020年9月3日 22:33 更新)
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO63417670T00C20A9000000?s=5