オリエンタルランドは29日、2021年3月期の連結業績予想を発表し、純損益が511億円の赤字(前期は622億円の黒字)との見通しを示した。通期の赤字は1996年の上場後初めてとなる。新型コロナウイルスの影響で運営する東京ディズニーランド(千葉県浦安市)と東京ディズニーシー(同)の休園や来園客の抑制を実施しており、急回復は困難と判断した。

 売上高は前期比60・1%減の1854億円の見通し。来園客1人当たりの売上高は例年より1000円ほど上回る一方、客数が7割近く減少し950万人になると見込んだ。

 両パークは全国的な感染拡大を受け今年2月29日から約4カ月間休園。7月の営業再開後も客数を通常の半分以下に制限しているほか、大規模なショーやパレードを休止している。

 同社は、人気のアトラクションに優先入場できる「ファストパス」の有料化などを検討。東京都内で記者会見した横田明宜取締役は「短期間に客数を回復させることが難しい中、客単価をしっかりと上げていきたい」と述べた。

 同時に発表した20年9月中間連結決算は、売上高が前年同期比76・2%減の591億円、純損益は300億円の赤字(前年同期は430億円の黒字)だった。

 役員21人の報酬減額も発表した。今年6月分から既に実施しているが、減額した額からさらに代表取締役は60%、取締役は55%減らすなどする。

[ 2020年10月30日 05:30 ] スポニチ
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