英国や米国などで新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が始まる中、日本国内では過去の薬害や副反応に対する扇情的な報道などの影響でワクチンに対する懐疑的な感情が根強いことから、普及が他の先進国に大きく後れを取るとの見方が広がっている。

  「潜在的に国民の頭の中にワクチンは副反応があるということがこびりついている」。北里大学の中山哲夫特任教授(ウイルス感染制御学)はそう指摘する。9月に英医学誌ランセットに掲載されたワクチンへの信頼度に関する意識調査では、調査を実施した149カ国のうち、日本が最も低い国の一つであることが明らかになった。

  新型コロナのワクチンでも日本人の忌避の傾向は顕著だ。世界経済フォーラムと調査会社イプソスが共同で15カ国を対象に実施した意識調査では、日本の新型コロナワクチンの接種意向は69%にとどまり、インドの87%や英国の79%よりも低く全体の平均の73%も下回った。

  現在、政府は米ファイザーとは来年6月末までに1億2000万回分、米モデルナとは来年の第3四半期までに5000万回分、英アストラゼネカとは1億2000万回分(来年3月までに3000万回分)の供給を受けることで基本合意している。
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https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-12-22/QLD98CDWX2PU01