先月の道議会で議員が「アイヌの人々を甘やかしている」などと発言したことに対し、日高地方のアイヌの人たちでつくる団体が「歴史について理解を欠いた発言だ」とする意見書を議員に提出しました。

自民党・道民会議の道見泰憲議員は先月24日の道議会の質疑で、アイヌの人たちへの生活向上の施策について「アイヌの人々を甘やかしているのは国であり、道であり、アイヌの人々自身なのではないか」などと述べ、その後「甘やかしている」という表現を「過保護にしている」と訂正しました。

この発言を受けて日高地区アイヌ協会連合会は、今月13日付けで議員に意見書を提出しました。

このなかで「アイヌ民族の歴史、置かれてきた境遇について理解を欠いた発言であると言わざるを得ません」と指摘したうえで、「私たちが求めているのは歴史的な経緯により生まれてしまった不平等をなくすことであり、先住民族としての当然の権利です」と記しています。

日高地区アイヌ協会連合会の菊地修二会長は「道民を代表する立場であるにもかかわらず残念な発言だ。アイヌの置かれた歴史を知り対等な立場の理解者になってほしい」と話しています。

一方、道見議員は「歴史の見方について議論をするつもりはない。生活向上の施策が十分な効果をあげていないならば、やり方を変えるべきだという主張は変わらない」と話しています。

NHKニュース 12月23日 21時10分
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20201223/7000028544.html
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