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ドイツがロックダウン強化 15キロ以上の移動制限も

ドイツ政府は5日、新型コロナウイルスの感染拡大の防止のため導入しているロックダウン(都市封鎖)の強化を決めた。人口比で感染者が多い地区では、半径15キロ以上の移動を制限する。飲食店の営業禁止などの規制も当初の予定から3週間延ばし、31日までは続けることにした。

ドイツの1日の新規感染者はここ数日、1万人前後で推移しているが、年始の休みで各地からの報告が遅れ、少なく見えている可能性がある。直近7日平均の人口10万人あたりの新規感染者は130人台で、政府が目標とする50人を大きく上回る。100人超におよぶ地区は全行政区の7割に上る。

 メルケル首相は5日、各州首相らとのオンライン会議で対応を検討。この数値が200人超の地区では、仕事など正当な理由がある場合を除き、自宅のある地区から半径15キロ以上の移動を制限することにした。

 また、先月16日から始めた規制は当初10日までの予定だったが、月末まで延長する。持ち帰りや宅配を除く飲食店、大半の小売店、美容院などの営業を引き続き禁じるほか、学校や保育園の閉鎖も続ける。

 会議後に記者会見したメルケル首相は「いくつかの病院はぎりぎりの状態だ」とし、「さらに人々の接触を減らす必要がある」と述べた。2月以降の対応は改めて今月25日に検討する。

 ドイツは他の欧州連合(EU)加盟国と足並みをそろえ、先月26日からワクチンの接種を始め、今月4日までに約32万人が接種した。80歳以上の高齢者や医療・介護従事者を優先しているが、メルケル氏は「第2四半期(4〜6月)には幅広く行き渡るだろう」と期待を示した。(ベルリン=野島淳)

2021/1/6 8:54 朝日新聞