東京都調布市の住宅街で昨年10月、東京外郭環状道路(外環道)の地下トンネル工事ルート真上の道路が陥没した問題で、東日本高速道路(NEXCO東日本)は12日、損傷や振動といった被害があった住宅など周辺の約1000軒を対象に個別補償を検討していると明らかにした。

 同社によると、家屋にひびが入るなどの被害に加え、家賃の減収や不動産の売却損、疾病による治療費などの補償を行うという。

 陥没は昨年10月18日、調布市東つつじケ丘の市道の一部で発生。現場付近の地下約47メートルではシールド工法によるトンネル掘削工事を行っており、同9月に真下を通過していた。陥没発生後の調査で、地中に空洞3カ所も見つかった。 

 原因調査を進めていた同社の有識者委員会は12日、最終報告を公表し、陥没や地中の空洞について「工事が要因である可能性が高い」と結論付けた。周辺は緩みが起きやすい特殊な地盤だったため、夜間停止していた掘削機を再稼働させる際に土砂を過度に取り込み、局所的に陥没や空洞が発生したとみられる。
https://trafficnews.jp/post/104556