仏自動車大手ルノーが19日発表した2020年通期決算は、純損益が80億800万ユーロ(約1兆240億円)の赤字(前年は1億4100万ユーロの赤字)で過去最悪だった。新型コロナウイルスの影響で世界販売が2割減ったうえ、43%出資する日産自動車の業績不振が赤字幅を広げた。

 売上高は前年比21・7%減の434億7400万ユーロで、営業損益は19億9900万ユーロの赤字(前年は21億500万ユーロの黒字)。同じく赤字に苦しむ日産の損失49億7千万ユーロを計上し、純損失が大きく悪化した。

 本拠地フランスをはじめ、欧州ではコロナ対策のロックダウン(都市封鎖)で販売店などが休業を強いられ、販売は前年より25%減少。米国や中東、アフリカなども振るわなかった。

 ルノーは昨年5月、1万5千人規模の人員削減や工場再編、提携する日産や三菱自動車との協業を通じ、3年で約20億ユーロのコストを削減する再建策を発表。改善は想定以上のペースで進んでおり、20年中に12億ユーロの改善が図れたという。ルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)は会見で「21年末か22年初めに20億ユーロは達成できる可能性がある」と話した。(ロンドン=和気真也)

朝日新聞 2021年2月19日 21時00分
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