【ワシントン=永沢毅】米紙ワシントン・ポストは米国のケリー大統領特使(気候変動問題担当)が週内に中国を訪問すると報じた。訪問地は上海とされ、中国の解振華・気候変動担当特使と会談する。バイデン政権の高官の訪中が明らかになるのは初めて。米国が22、23両日に主催する「気候変動サミット」を前に米中協力の可能性を探る。

ケリー氏の訪中が実現すれば、同氏によるインド、アラブ首長国連邦、バングラデシュのアジア歴訪の一環となるもようだ。米中両国は米アラスカ州での外交トップの協議で安全保障や人権を巡って激しく対立した。中国側には深刻になっている米中関係の改善に向けた糸口を探るねらいがあるとみられる。

ケリー氏はインド訪問の際、現地メディアに気候変動問題での米中協力について「現時点で自信があるわけではないが、期待している」と述べた。米政府高官によると、ケリーは就任以来、解氏との接触を続けており、今後も対話は続ける見通しだ。

日本経済新聞 2021年4月12日 6:27 (2021年4月12日 7:22更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN113NM0R10C21A4000000/