プレハブ小屋に長女を10年以上監禁して凍死させた罪に問われた両親の控訴審で、大阪高裁は懲役13年とした1審判決を支持して両親の控訴を棄却しました。

 柿元泰孝被告(58)と妻・由加里被告(56)は、統合失調症を患っていた長女・愛里さん(当時33)をプレハブ小屋に10年以上監禁し、十分に食事を与えずに凍死させた保護責任者遺棄致死の罪などに問われていました。

 1審の大阪地裁は2人に懲役13年を言い渡しましたが、2人は判決を不服として控訴し、無罪を主張していました。

 4月19日の判決で大阪高裁は、犯行について「行動の自由を制限して尊厳を著しく損なうもの」とした上で、量刑についても「事案に相応で合理的なもの」として、控訴を棄却しました。
https://www.mbs.jp/news/sp/kansainews/20210419/GE00037911.shtml
過去ニュース
33歳長女、体重19キロ
起訴状によると、両被告は07年3月ごろから監視カメラや内側から解錠できない二重扉が設置された自宅内のプレハブの小部屋に愛里さんを監禁。17年12月ごろまでに急激にやせ衰えていたのに十分に食事を与えたり、医師の診察を受けさせたりせず、同月に凍死させたとされる。

 検察側は冒頭陳述で、愛里さんが12歳のころに不登校になり、それ以降、中学まで登校しなかったと説明。両被告は愛里さんに愛情を抱けず、一緒に生活したくないと考えて監禁し、粗雑な扱いをして死亡させたと主張した。小部屋の大きさは1.6平方メートルと畳1枚分程度で窓はなく、亡くなる直前の小部屋の温度は10〜12度。食事は1日1回、水はチューブを通して与えていたと指摘。衣類を着せず、入浴や歯磨きもさせず、死亡後の解剖結果では愛里さんは身長145センチ、体重が19キロで、歯はぼろぼろでいくつかは抜け落ち、ひざがまっすぐに伸びない状態だったと述べた。
https://www.asahi.com/amp/articles/ASN273G2KN27PTIL001.html