エーザイと米バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ」が米食品医薬品局(FDA)に承認されたことを受け、
原因とされる物質に直接作用する別の治療薬候補の承認にも期待が寄せられている。

開発されているのは「レカネマブ」で、開発の最終段階となる第3相臨床試験を行っており、
二つある試験のうち一つの結果は2022年7−9月期に明らかになる見通し。

レカネマブはアデュカヌマブと同じ仮説に基づいて開発されていることから、
エーザイの広報担当はFDAの承認に非常に勇気づけられたとコメントした。


新薬の世界の売上高はピークで年約1兆6400億円に


ジェフリーズ証券アナリストのスティーブン・バーカー氏は、アデュカヌマブの承認は
レカネマブの承認に向けた市場の期待を高める「光背効果」を与えると電話取材で述べた。

同氏によるとアルツハイマー病患者は米国に約600万人、日本には約450万人おり、治療薬の潜在的な市場規模は大きいという。

アデュカヌマブの世界全体の売上高はピークで年150億ドル(約1兆6400億円)に達すると同氏は試算する。

エーザイは昨年10月末に欧州医薬品庁(EMA)にアデュカヌマブの販売承認を申請したほか、日本国内でも昨年12月に申請している。

バーカー氏によると、国内では年末に承認される公算が大きいという。
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