解職請求(リコール)で失職した群馬県草津町の新井祥子・前町議(52)が、リコール無効の申し立てを退けた県選挙管理委員会の裁決の取り消しを求めた訴訟で、東京高裁(深見敏正裁判長)は9日、新井氏の請求を棄却する判決を言い渡した。

問題の発端は「黒岩信忠町長から性被害に遭った」という新井氏の告白だった。「事実無根」と否定した黒岩氏を支援する町議らが新井氏のリコールを主導し、昨年12月の住民投票で成立した。

新井氏は町議や町長がリコールに関与するのは「制度の乱用で無効」と訴えたが、判決は「議員や首長について解職請求を行うための署名運動を禁じた規定は見当たらず、制度の乱用とはいえない」と判断した。

判決後に記者会見した新井氏は「抗議の声をあげないと地方議会の問題は注目されない。あしき前例を許す不当な判決で残念な結果だ」と話した。

朝日新聞デジタル
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