2021年6月23日 22時36分


仕事の強いストレスなどが原因でうつ病などになったとして昨年度、労災と認められたのは608人と、これまでで最も多くなったことが厚生労働省のまとめでわかりました。

厚生労働省によりますと、昨年度、長時間労働や仕事の強いストレスが原因でうつ病などの精神疾患になったとして労災と認められたのは608人でした。

これは、前の年度より99人増えて1983年度に調査を始めてから最も多くなっています。

このうち「過労自殺」に追い込まれたのは未遂も含めて81人となっています。

認定の理由は「上司などからのパワハラ」が99人と最も多く、「悲惨な事故や災害の体験」が83人、「職場でのいじめや嫌がらせ」が71人、「仕事量や内容の大きな変化」が58人などとなっています。

認定された人を年代別でみると最も多かったのは40代の174人で、全体の29%に上ったほか、30代は169人と前の年度より37人増えて増加が目立っているほか、20代は132人と前の年度より16人増加しました。

新型コロナウイルスの関連では、感染したことで職場で嫌がらせを受けるなど7人が労災と認定されたということです。

また精神疾患になったとして昨年度、労災を申請したのは2051人に上り、前の年度の2019年度に次いで2番目に多くなっています。

一方、長時間労働などによる過労が原因で脳出血や心筋梗塞などを引き起こし労災と認定されたのは昨年度、194人でした。

このうち「過労死」と認められたのは67人で、20代や30代の若い世代も合わせて11人が認定されました。

厚生労働省は「新型コロナウイルスの影響で残業時間が減少した一方で、うつ病などの労災申請の件数は高止まりしている。長時間労働の防止や、メンタルヘルス対策の徹底に向けて企業などへの周知や指導をしていきたい」としています。

専門家「新型コロナ影響か 申請さらに増える可能性」
過労死などの問題に取り組む川人博弁護士は「新型コロナウイルスの影響が続く中、テレワークで仕事とプライベートの区別がつきにくくなり、長時間労働になったり、業績が悪化した企業でノルマの達成を強いられたりしてうつ病などを発症するケースが増えているとみられる。また、医療や介護などで働くいわゆるエッセンシャルワーカーの中でも長時間労働などで体調を崩す人が相次いでいる。今後、労災の申請はさらに増える可能性があり、働く人たちの健康をどう確保していくのか、社会全体で真剣に考えなければならない」と話していました

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ソース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210623/k10013100281000.html