菅義偉首相は31日、自民党の二階俊博幹事長の交代を含む党役員人事を来週前半に実施する調整に入った。
併せて内閣改造も行う方向だ。複数の関係者が31日、明らかにした。

(中略)

 首相は人事断行で政権浮揚を図り、衆院選を有利に進めたい考えとみられる。政権内では14〜16日に臨時国会を召集し、解散する案が浮上している。

 二階氏が交代となれば、選挙を取り仕切る幹事長は誰になるのか。有力視されるのは、麻生派の甘利明自民党税制調査会長だ。
安倍晋三前首相、盟友の麻生太郎副総理兼財務相とともに「3A」の1人として、首相を挟んだ二階氏との主導権争いを演じてきた。
昨秋総裁選後に二階氏が幹事長続投を勝ち取り影響力を強めたのと対照的に、麻生氏は存在感が低下。“甘利幹事長”誕生となれば、党内勢力図の塗り替えを意味しそうだ。

 萩生田光一文部科学相の名前も挙がる。安倍氏が事実上のオーナーで大きな影響力を持つ最大派閥・細田派に属し、言わずと知れた安倍氏の最側近だ。

 麻生氏は首相支持の安倍氏に同調とされているが、その細田、麻生両派でも若手を中心に「菅首相では選挙を戦えない」との声があり意見集約は難航。
首相としては甘利氏か萩生田氏の起用で、安倍、麻生両氏の協力を最大限得たいところだ。

 奇策と言えるのが、初の女性首相を目指すと公言する無派閥の野田聖子幹事長代行の昇格。
政府関係者は「幹事長人事の肝は“刷新”の演出。女性初の幹事長でうってつけだ」と指摘。幹事長はカネ、人事、公認権など権力の源泉を握る最高実力者。
自民党関係者は「野田さんが権力をフルに使い、のし上がっていけるとは誰も思わない」と、各派の警戒感が薄まる絶妙な人事だと解説した。

 奇策と言えば、国民の間で人気のある石破茂元幹事長の再登用説も浮上しそうだ。

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