厚生労働省に新型コロナウイルス対策を助言する専門家組織「アドバイザリーボード(AB)」(座長=脇田骼噤E国立感染症研究所長)は8日、感染状況などについて「全国の新規感染者数はほぼすべての地域で減少が続いているが、重症者数は高止まりで過去最大の規模が継続している。多くの地域で公衆衛生体制、医療提供体制で厳しい局面が続いている」との見解を示した。

 ABの資料によると、緊急事態宣言が発令されている21都道府県のうち、重症者向けの病床使用率が「ステージ4(感染爆発)」の基準となる50%を超えているのは10都県。特に、沖縄(100%)や東京(88%)、神奈川(84%)、千葉(68%)などで、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が続く。

 ワクチン接種も進んでいることからその効果の分析結果も公表した。主に高齢者の接種が進んだことで、70代以上の致死率が大幅に改善。今年1〜2月と7〜8月で比べると、70代では致死率が5・7%から3・3%に減少した。さらに、高齢者のうち7〜8月で、10万人以上の感染と8000人以上の死亡を抑制したとの推定も明らかにした。【阿部亮介】

毎日新聞 2021/9/8 20:25(最終更新 9/8 20:25) 479文字
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