16世紀の「天正遣欧少年使節」の一人、千々石ミゲルの墓とみられる場所で発掘調査を行っている民間のプロジェクトチームは16日、発掘されたミゲルとみられる人骨を報道陣に公開しました。

発掘されたのは頭や腕、肋骨や足など成人1体の骨です。長さ140センチ、幅40センチの木棺の中で、横を向くような形で足を折り曲げて葬られています。

千々石ミゲルは安土桃山時代、九州のキリシタン大名がローマに派遣した天正遣欧少年使節団の4人のうちの1人です。諫早市多良見町では石碑に千々石ミゲルとその妻とみられる戒名などが刻まれていたことから、ミゲルの子孫らがミゲルの墓とみて2014年から発掘調査を進めてきました。

これまで地中からはミゲルの妻とみられる女性の歯や骨、ガラス片やロザリオの部品などが出土していて、今回の調査では隣接する箇所からミゲルとみられる人骨の一部が発見されました。こちらの墓から副葬品は見つかっていませんが、発掘された2人の墓が一体的に計画して作られていることや、互いの信仰を尊重していることなどが推測できます。

発掘責任者の別府大学・田中裕介教授は「17世紀前半の墓地としても、夫婦の墓所としての埋葬のあり方が大変珍しい。それがミゲル夫妻と非常に強く推定されるということが非常に重要だと思います」と話しました。

千々石ミゲルの子孫で、発掘調査プロジェクトチーム代表の浅田昌彦さん(68)は、「感激の一言です。天正遣欧少年使節、千々石ミゲルに関連する遺跡は日本には皆無、そういった意味ではこの墓所が可能性があるところだと。この墓所を明らかにすることは歴史上に大変重要な意味を持つ」と話しました。

今後、骨は専門家が調べ、その後諫早市に寄託する方針です。

長崎放送
https://www.ncctv.co.jp/news/93273.html

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