JR北海道は10日、グループ会社が運営する札幌駅隣接の商業施設「エスタ」を2023年夏に閉館すると発表した。札幌駅一帯は、30年度の北海道新幹線札幌延伸に伴い再開発されることになっている。エスタの取り壊しも決まっていたが、今回初めて閉館時期が明らかになった。再開発後、29年秋までに新駅ビルとして開業するが、どのような施設になるかは決まっていない。

エスタは1978年に開業。ビックカメラ札幌店のほか、物販、飲食、サービスの113店が入る。20年度のテナント売上高は約146億円(ビックカメラ札幌店を除く)。

今後はエスタと隣接地の駐車場などを一体開発する。地上46階建ての高層ビルと現在のエスタ棟を取り壊してつくるビルをつなぎ、延べ床面積約40万平方メートルの複合施設となる予定。

高層ビルにはホテルやオフィスが入り、低層部分には商業施設が入る。ただ、コロナ禍後の消費行動の変化やネット通販の進展を見据える必要があるとして、どのようなテナントを入れるかは具体化していないという。

エスタの閉館で、JR北では年約9億円の賃料収入を失う。JR北の島田修社長は10日の定例会見で「より大きな収益を生み出すためにエスタの閉店は避けて通れない。新幹線札幌開業を機に、次の時代にふさわしい『さっぽろ』の顔となる駅ビルにしたい」と述べた。

札幌駅では商業施設「パセオ」も、駅工事の影響で、22年9月末に営業を終了することが決まっている。(佐藤亜季、斎藤徹)

朝日新聞社2021年11月10日 19時00分
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