https://news.yahoo.co.jp/articles/acf4da9d44feaa1cf2e9dff228f7a39c4e0dba7b
<ロシア軍のウクライナ侵攻を統括指揮する立場にありながら、2週間近く公式の場に姿を現していない>
 ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は今どこにいるのか。
ロシア軍のウクライナ侵攻を統括指揮する立場にありながら、この2週間近く公式の場に姿を現していないと、ロシアの独立系メディアが指摘し、さまざまな憶測が飛び交っている。

ウラジーミル・プーチン大統領の側近中の側近であるショイグ(66)の不在を問題にしたのは、政府の腐敗などの調査報道を行ってきた
ロシアの独立系メディア「アギェンツトォバ」(ロシア語のエージェンシー)だ。
ロシアのSNS「テレグラム」に長文の記事を投稿し、ショイグが3月11日に国営テレビに出演したのを最後に表舞台から姿を消したと伝えた。
ロシア政府の高官が匿名でアギェンツトォバの取材に応じ、ショイグは心臓病で体調が悪化しているのではないかと話したが、この情報については確認が取れなかったという。

ロシアの国営テレビ「第一チャンネル」は3月18日、ショイグが同日に行われたセレモニーで賞のプレゼンターを務めたと伝えたが、
このニュースに使われた写真は国防省の公式サイトに3月11日にアップされたものだと、アギェンツトォバは指摘している。

クレムリンのPR担当なのに

ロシア政府の公式サイトには3月18日、プーチンが安全保障会議のメンバーとウクライナ情勢について話し合ったことを伝えるテキストが掲載され、そこにはショイグの名前がある。
ショイグもその会議に出席したことになっているが、それを証明する画像や動画はない。

ロシア軍がウクライナ侵攻を開始した2月24日の3日後、ショイグはロシア軍のバレリー・ゲラシモフ参謀総長と共にプーチンに呼び出され、
異様に長いテーブルに就いて、はるか遠くに座ったプーチンと話し合った。
このときを最後に、ショイグがプーチンと一緒にいる姿を見た人はいないと、アギェンツトォバは伝えている。
国防省の公式サイトのショイグの活動履歴も、3月11日を最後に更新されていない。

ロシア軍はウクライナ侵攻を開始してから、予想外に強力なウクライナ側の抵抗に手こずっている。
英国防省が今週発表した情報によると、ウクライナの他の地域では引き続き激しい戦闘が続いているが、北東から首都キエフに攻め込もうとしたロシア軍は
ウクライナ軍に前進を阻まれ、後退を余儀なくされたという。

アギェンツトォバが指摘しているように、ショイグは2012年に国防相に就任して以来、クレムリンのPR担当を自任。
西側メディアにもたびたび登場して、ロシア政府の立場を主張し、国内外においてロシア軍と国防省のイメージアップに努めてきた。

■参謀総長の所在も不明
ロシアの独立系ニュースサイト「メディアゾナ」の記者も3月22日、ロシアの国営通信社RIAノーボスチが配信した3月11日付けの記事を最後に、
ショイグに関するニュースは一切発表されていないと、ロシア語でツイートした。
「偉大なPR大臣であるショイグが3月11日以降、表舞台にぱったり姿を見せなくなった。戦争の最中で11日間も、国防省はトップ不在の状態だ」

その翌日の3月23日には、ロシアの独立系英字紙モスクワ・タイムズのジェーク・コーデル記者も、ショイグの所在について
「テレグラム上では多くの憶測が飛び交っている」とツイッターに投稿した。
「(ショイグは)12日間公の場に姿を見せず、『核抑止部隊に高度警戒態勢を取らせろ』と命じられた2月27日のあの奇妙な3者会談を最後に、
プーチンと一緒にいる姿を見られていない」

コーデル記者はこのツイートに続き、「これはハッピーだった頃の2人」と断って、休暇中に野外で食事を楽しむプーチンとショイグの仲睦まじげな写真をアップしている。

ロシア軍のゲラシモフ参謀総長も3月11日以降、公の場に姿を見せていないと伝えられている。
2人の所在に関し、ここに挙げた情報の信憑性については、本誌は確認できていない。
ロシア国防省にも問い合わせているが、今のところ回答は得られてない。