2022.3/31 19:34

新型コロナウイルス禍でオンライン授業が常態化し、学生の学力低下が懸念されるなか、東京大学教授らが学生の理解力向上を図る新たな機器を開発し、
実用化されることになった。開発したのは、東京大学研究室のほか、特定非営利活動法人IoTメディアラボラトリー(東京都台東区、西和彦理事長)と
システムジャパン(同中央区、七里芳輝代表取締役)の3者。3月下旬には、都内で3者が会見し、その効果などを明らかにした。

開発した機器の名称は「がってんボタン」。使い方は簡単だ。オンライン授業に臨む学生は、パソコン脇にUSBケーブルで接続したがってんボタンを設置。学生が、がってんボタンにIDカードを取り付けて、出席を告知して授業がスタートする。

先生は自身のパソコンモニターで学生の出欠などを確認できる。講義を進行し、その度に学生に「分かりましたか」と問いかけると、
理解できた学生は「がってん!」とばかりに、ボタンをたたくと、先生側のモニターにがってんサイン≠ェ点灯、学生がボタンを押す速度までがモニターに記録される仕組みだ。

開発に関わった東大工学系研究科機械工学専攻の中尾政之教授は、「東大でもオンライン授業を行っているが、学生がどこまで理解したかがなかなか伝わってこない。
がってんボタンを使えば、下を向いている学生も理解してくれていることが分かる。言葉や表情では伝わらない授業に関する関心度、やる気も上げてくれる」と話す。

https://www.sankeibiz.jp/article/20220331-KEQVAQQKCNJUHHOCHBLQTYJCKY/