※3/31(木) 12:00 Rolling Stone Japan

ウクライナのトランスジェンダー女性「Zi Faamelu」は焦っていた。彼女は自宅のアパートから一歩も動けず、周囲の砲撃の音に耳をそばだてていた。食料も底をつき始め、つねにナイフを手元から離さなかった。建物に残っているのは自分1人で、誰が家に押し入って来るだろうかと恐れていた。ロシアがウクライナに侵攻して5日目、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領が国民総動員令を宣言してから5日が経過していた。

ウクライナの誰もがそうであるように、Faameluも次に爆弾が落とされるのは自分の家ではないかと心配していた。だがFaameluの恐怖はもっと根深かった――彼女は身の危険を感じて暮らすトランスジェンダー女性の1人。この国では、つい6年前までトランスジェンダーは性転換のため施設に入れられることもあった。31歳のミュージシャン兼アーティスト兼インスタグラマーも、キエフを出なくてはならないことはわかっていた――それも今すぐに。

Faameluは日々偏見と闘い、自分が女性であることを証明しているものの、パスポートにはいまだ「男性」と記載されている。しかも国民総動員令により、18〜60歳の男性は徴兵が義務付けられた。つまりFaameluはロシアの爆撃に遭うことだけでなく、徴兵されて戦うことも恐れていた。「人を撃ちたくない。誰も殺したくない」とFaameluはローリングストーン誌に語った。「そんなことをするくらいなら死んだ方がましです」

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https://news.yahoo.co.jp/articles/2314ff6040eb77d52e1a857d3a2172eb575fd1b5