道は先月、札幌市で回収されたキタキツネ1頭が高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染していたことが確認されたと発表しました。環境省によりますと、国内で哺乳類の動物が感染していると確認されたのは初めてだということです。

道によりますと、先月29日に札幌市内で死んでいたハシブトガラス5羽について、4日、致死率の高い高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染していたことが確認されたということです。
さらに、ハシブトガラスを回収した場所の近くで死んでいたキタキツネ1頭も、高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染していたことが確認されたということです。

環境省によりますと、キタキツネが感染した鳥を食べたことが原因とみられるということです。

これを受けて、道は道民に対し、野生生物の死骸やフンには触らず、触ってしまった場合には手洗いを入念に行うほか、道内の養鶏場などに対しては定期的な消毒や野鳥の侵入防止などの対策を徹底するよう改めて呼びかけています。

北海道大学大学院獣医学研究院の迫田義博教授によりますと、キタキツネが発見された場所がハシブトガラスが回収されたところから数百メートルの場所だったことから、「キタキツネは死んだカラスをエサだと思って食べて感染したのではないかと考えられる」とみています。
その上で「この冬は集団で生活するカラスの感染が相次いだが、カラスは暖かくなるとそれぞれ分かれて巣を作るので感染も収束に向かうと思う」と指摘しています。

その上で迫田教授はヒトへの感染について「死んだカラスを食べるようなことをしない限り、鳥インフルエンザがヒトに感染することはほとんどない。ただ、犬などは散歩の際に死んだ鳥を見つけて動物が触ることで感染につながるおそれもあるので、飼っている人は注意してほしい」と呼びかけています。
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https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220404/7000045123.html (動画あり)