東大阪市が、小学校の給食について新年度から配送業務を委託していた運送会社と、6日付で契約を解除したことが関係者への取材で判明した。必要な車両が準備できていないことなどが理由で、対象は市内全51校のうち26校、児童と教職員計約1万2000人分に上る。市は代わりの運送会社を探すなどしているが、12日から始まる予定の学校給食に甚大な影響を及ぼす可能性が出てきた。

 配送は約50年間、別の運送会社が担っていた。しかし、大阪府四條畷市が発注した学校給食の運搬業務を巡る汚職事件で、同社役員が贈賄罪で罰金50万円の略式命令を受け、東大阪市は2021年8月、同社を入札参加停止処分とした。

 市は同年12月に一般競争入札を実施。今回の運送会社に22年4月から5年間、給食の配送業務を委託する契約を交わした。

 市の契約解除通知書によると、配送車両を確保し、車検証や業務従事者の名簿を提出するよう再三、促したにもかかわらず、運送会社は委託開始日である4月1日を過ぎても提出しなかった。

 さらに決まった時間に必ず給食を送り届けることが必須であることから、事前に配送ルートの試走を求めていたが、実施しなかった。4月5日時点で試走できる人員体制や車両も用意できていなかったという。

 運送会社は毎日新聞の取材に対し「何も話せない」として、車両の準備などができなかった理由を明らかにしていない。

 配送対象の小学校は調理場がない学校で、給食センターなどから給食の提供を受けている。運送手段が安定的に確保されないと、長期間にわたって子どもたちが給食を食べられない事態に発展する恐れがある。

 市教育委員会学校教育部は「現在、学校給食を配送できるよう努力を続けている」と説明している。【遠藤浩二、玉木達也】

毎日新聞 2022/4/7 10:44(最終更新 4/7 14:37) 736文字
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