岸田文雄首相(自民党総裁)は、内閣改造・党役員人事を9月上旬に行う方向で検討に入った。

 党役員では麻生太郎副総裁と茂木敏充幹事長、閣僚では松野博一官房長官の留任を調整。政権基盤の安定に向け、骨格を維持する方針だ。複数の関係者が21日、明らかにした。

 人事をめぐっては当初、8月3~5日の臨時国会の閉会直後に行うとの見方も一部にあったが、日程上厳しいと判断。お盆明けの8月下旬も検討されたが、銃撃で亡くなった安倍晋三元首相の「四十九日」を同25日に控えるほか、首相が同27、28両日にチュニジアで開かれる第8回アフリカ開発会議(TICAD8)に出席を予定するため、9月上旬へずれ込む見通しとなった。

 茂木氏について、首相は参院選の陣頭指揮を執った功績を評価。国政選挙並みの態勢で臨む沖縄県知事選(8月25日告示、9月11日投開票)も迫る中、留任が適当と判断した。麻生氏には、安倍氏の急逝を受け、首相経験者として党の重し役を期待する。

 重要閣僚の林芳正外相、鈴木俊一財務相も続投させるとの見方が強い。一方、体調面が不安視される岸信夫防衛相は、緊急参集など現在の負担の大きさを考慮し、党の要職に横滑りさせる案が出ている。菅義偉前首相を重要ポストに迎えるかも焦点だ。

 党四役のうち、高市早苗政調会長、福田達夫総務会長は交代論が浮上している。

 先の参院選に出馬しなかった金子原二郎農林水産相と二之湯智国家公安委員長は、7月25日に参院議員の任期満了を迎えるが、首相は内閣改造まで民間人として続投させる方針だ。 
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