毎日新聞 2022/7/24 19:00(最終更新 7/24 19:00)

 日本でも珍しい警察官を祭神とする佐賀県唐津市肥前町高串地区の増田神社で24日、例大祭があった。参拝した地区の人や警察関係者らは、明治時代に地元でコレラの防疫にあたり、自らも感染して殉職した増田敬太郎巡査の遺徳をしのぶと同時に、現在「第7波」が急拡大する新型コロナウイルスの一日も早い感染収束を祈った。

 増田巡査は現在の熊本県菊池市泗水町出身。佐賀で警察官となり、1895年7月21日に高串地区に派遣され、防疫指導にあたった。この年は日本でコレラが猛威を振るい、全国で4万人以上が死亡したという。

 増田巡査は猛暑のなか、感染対策や遺体の処理にあたったが、ついに自身も発症。「高串のコレラはすべて私が背負っていきますからご安心ください」などと言い残し、同24日に亡くなった。25歳の若さだった。

 その遺言通り、高串でコレラの流行は収まり、感謝した地元の人々が遺骨を祭り、神社とした。

https://mainichi.jp/articles/20220724/k00/00m/040/148000c