スポーツ庁が進める休日の公立中学校の部活動の地域移行を巡り、沖縄県教育庁の検討会議の初会合が18日、那覇市内で開かれた。今後、各市町村の実態に合わせて導入の在り方や課題について話し合いを進める。(社会部・棚橋咲月)

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会合であいさつする委員ら=18日、那覇市・県立図書館

委員長に選ばれた宮城政也・琉球大教育学部教授は冒頭「スポーツ庁の本気度がすごく高い。しっかり会を進めていく」とあいさつした。

スポーツ庁の有識者会議が6月にまとめた提言は、2023~25年度を「改革集中期間」と位置付け、休日の部活動指導を民間のクラブなどに段階的に委ねるとした。県内ではこれまでにうるま市と糸満市が、国の受託事業で試験的に取り組んでいる。

このうち、三つの部活が移行に取り組む糸満中学校で1~2月、生徒31人を対象に実施したアンケートでは、今後も参加を希望するかとの問いに87%が「参加したい」と答えた。

保護者23人への質問では、不安点について複数回答で「特段不安はない」が52%、「教員との接点が少なくなる」が22%、「保護者の負担が増えるのでは」が22%だった。

顧問へのヒアリングでは「負担がかなり減った」「土日は別の仕事をしたり、家族との時間を増やすことができた」などの回答があった。課題は「(休日の活動に)入っている子と入っていない子の技術の差やコミュニケーションが取れないことがある」などが挙がった。

県教育庁のまとめでは、県内の公立中学校は149校、生徒は5万人。運動部は1374ある。一方、地域の指導者の側は部活動指導員が昨年度52人、外部コーチが本年度978人と、活動場所を含め受け皿が圧倒的に不足しているのが現状だ。

この日は、他の都道府県の事例を元に「部活動指導員によるサポート」「種目・分野ごとに拠点校を指定」など地域移行に向けた11種類のモデルを県教育庁が提示。今後、このモデルを元に各市町村が実態に合う運用を検討する。

会合は本年度末までにさらに2回予定されている。

2022年8月19日 20:00
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