24日午後、最終報告書の公表後、初めて開かれた会見で、第三者委の辻本純成委員長は、
抑うつ状態での自殺とする凍死といじめの因果関係を不明とした理由の1つについて
「遺族側に担当医との面談や通院時の医療記録の提供を求めたが、実際に提供を受けたのは、医療記録の表紙1枚のみで、
報告書に記載した以上の踏み込んだ判断ができなかった」と述べました。

また、遺族側が「学校内での無視などをいじめとして認めていない」と指摘していることについては
「生徒への聞き取りをした結果、文言通りの無視という状況ではなく、対象生徒が心身の苦痛を感じていたとしても、
背景などを調べた上で、報告書でいじめとして取り上げるものではないと判断した」としました。

一方、4月の第三者委の中間報告まで、いじめについて認めず、遺族側だけでなく、
第三者委員会からも対応を批判された市教委の黒蕨(くろわらび)真一・教育長は
「学校および市教委にいくつもの問題が指摘され、遺族や市民に大変なご負担と不安をかけた。
一連の事態を招いたことの責任をとる」として、24日付けで辞任したことを明らかにしました。
今後は遺族側の要望に基づき、市長直属という新たな第三者委員会による再調査が行われることになります。

およそ3時間に及んだ会見の最後、あらためて、いじめが爽彩さんが亡くなったことの一因ということでとらえていいのかという
質問に対し、辻本委員長は「はっきりと結論を出せる答えを委員会として持っていない。表現の難しいところ」と述べました。 
そして、かなり長い沈黙があって「私たちは弁護士なので、裁判のことを考える。裁判で使う『相当因果関係』という意味では、
いじめと亡くなられたことについて因果関係があるとは言えない。ただ、それはあくまで裁判での損害賠償に関わる話のことなので、
それ以外の部分で、いじめと死が無関係だったとは言えない」としました。 
さらに続けて「学校や市教委がいじめの法律に沿った対応ができていたかというと、できていなかった。その責任はあると思っていて、
そういう対応ができていたら、現実に起こったこととは、違う話になっていたのではないかとは思う」と締めくくりました。
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