ドイツ連邦議会(下院)は11日、年内に停止予定だった国内の原子力発電所の原子炉全3基について、2023年4月15日まで稼働延長を認める法案を可決した。州の代表で構成する連邦参議院(上院)の承認を経て、3基は来年1月以降も、稼働を延長する見通し。

 期限となる4月15日をもって「脱原発」を完了させる。そのため原発に新たな燃料は投入せず、段階的に出力を低下させて稼働を続ける。稼働を延長するのは、エムスラント(ニーダーザクセン州)、ネッカーウェストハイム2(バーデン・ビュルテンベルク州)、イザール2(バイエルン州)の計3基で、発電量の約6%(今年第1四半期)を占める。


 メルケル前政権は11年の東京電力福島第1原発事故を受け、22年末までに「脱原発」を完了する方針を決めた。しかしロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー不足が深刻化する中、ショルツ政権は電力不足を補うための稼働延長もやむを得ないと判断。当初は3基中2基を非常用予備電源とする方針だったが、与党内の反発を受け、ショルツ首相が全3基の稼働を来年4月まで認める方針を打ち出していた。【ベルリン念佛明奈】

毎日新聞 2022/11/12 08:42(最終更新 11/12 08:42) 481文字
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