中国の国家衛生健康委員会(NHC)は14日、新型コロナウイルスの感染状況を把握することはもはや「不可能」との見解を示した。
政府が先週、「ゼロコロナ」政策を突然やめて以来、北京では感染者が急増していると警告した。

政府は先週、3年近く続けてきた大規模検査や感染者の隔離措置を終了。これを受け、先月に過去最高を記録したばかりの新規感染者の公表数は減少した。
衛生健康委員会は、国内の大半の場所で検査が強制されなくなったため、公表数はもはや実態を反映していないと認めた。

国営メディアは先に、孫春蘭副首相が、北京の新規感染者は「急増している」と述べたと報じていた。

中国政府はゼロコロナ政策からの転換を急ぐ考えで、レストランや店舗、公園などが再開された。
北京の観光当局は13日、団体旅行客の受け入れ、市外への訪問を再開すると発表した。

だが、数百万人に上る高齢者のワクチン接種が進んでいないことに加え、医療施設の能力不足などを受け、
専門家からは、感染者の急増に対応しきれなくなるとの懸念の声も上がっている。

14日には、北京市内の発熱外来に約50人が並んでいた。症状が出て自宅療養する人も多い。感染しないよう家に閉じこもっている人もいる。

風邪薬が売り切れになり、薬局には長い列ができている。
インターネット検索大手「百度(バイドゥ、Baidu)」によると、解熱薬「イブプロフェン」についての検索がここ1週間で430%増加した。

https://www.afpbb.com/articles/-/3443315 

中国・北京で、薬局に並ぶ人(2022年12月11日撮影)
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