※3/3(金) 18:11配信
ニューズウィーク日本版

<美術の授業で少女が描いた絵をめぐり、教師が警察に通報。鳥の飼育業を営む父親が逮捕されて独房に留置されている>

ロシアの6年生の少女が、学校の美術の授業で「反戦」的な絵を描いたことにより、シングルファーザーである彼女の父親が当局に逮捕された。娘本人は孤児院に送られたという。家族に近い筋が明かした。

奉仕活動家のエレーナ・アガフォーノワという人物が独立系メディアの「Spektr」に語ったところによれば、警察に身柄を拘束されたのは、ロシア西部トゥーラ州で鳥の飼育業を営むアレクセイ・モスカレフだ。

モスカレフの娘マーシャは小学6年生だった昨年4月、美術の授業中に反戦をテーマにした絵を描き、これを見た教師が警察に通報した。ロシアの独立系ニュースサイト「メドゥーサ」によれば、教師が生徒たちに指示していたのは、ウクライナに軍事侵攻を行っているロシア軍を「支持する」絵を描くことだったという。

この問題について、ロシア連邦保安局(FSB)と児童保護局が調査を行い、モスカレフはソーシャルメディアへの投稿でロシア軍の「信用を失墜させた」罪で起訴された。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2022年3月に刑法を改正し、これによりロシア軍の「信用を失墜させた」者には、最大5年の禁錮刑を科すことが可能になっている。

モスカレフは1月9日に警察に出頭するよう命じられていたが応じず、娘を(それまで暮らしていた)エフレーモフ市から隣接するウズロバヤ市に移したが、その後、当局に逮捕された。

■反戦の絵を描いた娘は孤児院に送られた

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