国鉄色や紫色などかつてのカラーが復刻され全国的に注目を集めているJR西日本の「特急やくも号」。こうした中、一部「撮り鉄」のマナーが問題になっています。

先日、BSSに届いた一通のお便りには次のように書かれていました。

「JRのやくもを撮るため撮り鉄の車が何台も付近に駐車していて踏切を渡る時も右側が見えない」

BSS取材班は鳥取県日野町に。情報提供を頂いた方に会い実際に話を聞きました。

情報提供者「そこに2列3列並んで車ね、やっぱり踏切渡る時に両側にいますけんね。ですから向こうのガードレールのとこと手前と、邪魔です。左右の確認ができない」

情報提供者の方によると、特急やくもを撮るため、土日になると踏切近くの路肩に多い時で20~30台の車が停まることもあるのだとか。
そうすると踏切を渡る時に、左右の確認ができないと言います。

そして、最も「撮り鉄」が集まるというスポットに行ってみると…。長い規制線が張られ、立ち入り禁止と書かれた張り紙が。

近くで農作業をしている男性に話を聞いてみると…。

住民「撮り鉄多いですね、県外者が多いわねあっちの関西関東。やっぱり国鉄色になってからですね」

特急やくもは来年春に新型車両に替わることから、現在ラストイヤーを記念し、かつての国鉄色やスーパーやくも色の紫色の列車が復刻。注目を集めています。

ところで、撮り鉄のマナーを巡っては、BSSの取材でかつてこんなことも…。

キャスター 小崎純佳「こちらの木は根元の方から伐採されています。10センチほどしか残っていません」

鳥取県伯耆町。
特急やくもの写真を撮る際に大山と被らない構図を作るためか、去年、柿の木が勝手に切られる被害も発生しました。

取材班は、週末改めて日野町の現場に行ってみることに。
すると、例のスポットに多くの「撮り鉄」の姿がありました。

撮り鉄「この時間帯北に向かう列車に(日が)当たるのはこの辺かなっていう。鉄道ファンでは定番だったり、かっこよく撮れるんでいいポジションですね」

この場所は、日野町の中で日中、電車の正面に日が差す唯一のスポット。
一部撮り鉄の間で人気となっているのだと言います。

しばらくすると所轄の警察官がやってきました。

警察官「ずっと向こうの方から広報しながらこっち来たとこです」

線路内に侵入し実際に検挙する事案も起きていて、警察も注意を呼び掛けています。

取材したこの日は特に問題はなかったものの、農作業をしていた男性はこう話します。

住民「マナー的にちょっと悪い人がね。うち百姓やってるけど、このげしを踏みたくっちょーだがんね。それこそ待ち時間だ言って、ペットボトルのお茶でも持ってきてキャップたちポーンして、それからたばこの吸い殻を列車街の間に休憩みたいにして、吸い殻はポンポン捨てるしね、あんまり歓迎するようなアレじゃないだがんね」

勝手に田んぼ内に入られたり、ゴミを捨てられたりすることがあるとのこと。
なかには…。

住民「農作業するのにそこにトラック停めたら、トラックどけてごせ言われたけんね」

ラストイヤーで盛り上がりをみせる特急やくも。
今しか見られない姿を収めたい気持ちも分かりますが、そこに住む住民の立場に立って考えてみることが必要です。

山陰放送2023年3月20日(月) 19:47
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/bss/388587