女子生徒からの要求を断れずにキスしたとして、長崎県教育委員会は7月31日、県立高校の30代の男性教員を停職3カ月の懲戒処分にし、発表した。車内と生徒の自宅で2回キスをしたという。県の基準ではわいせつ行為は免職処分の対象にもなりえるが、県教委は「わいせつ目的ではなかった」と判断したという。

 発表によると、教員は昨年12月、部活動を終えた生徒を自宅に送る車内で、生徒から不意にキスされた。教員はその場でキスした行為を注意。だが翌年1月、生徒の自宅で2人きりになり、ほおを寄せ合い、生徒の要求を断れずキスしたという。教員は生徒から家族の悩み相談などを日ごろから受けていたという。

 2人の関係を心配する関係者から学校に連絡があり、発覚。県教委は、2人きりになれば、行為を予見できたとして不適切な対応と判断した。一方、「生徒の悩みに寄り添ってくれた」として寛大な処分を求める保護者の上申書も提出されたという。

 教員は「断固として拒否する意志を持ち、貫き通すことができていればよかった。もう二度としません」と話しているという。

 県教委はこのほか、車内で知人女性の手を握り抱きしめ、胸を触ったとして県立高校の40代の男性教員を停職6カ月の懲戒処分にした。(石倉徹也)

朝日新聞 2023年8月1日 7時53分
https://www.asahi.com/articles/ASR7077PYR70TOLB001.html