※2023/09/01 08:20
読売新聞

 福岡県飯塚地区消防本部の救急出動件数が今年上半期(1~6月)は5238件に上り、初めて年間で1万件を超えるペースで推移している。新型コロナウイルスの流行初期には感染への懸念を背景に件数は大幅に減っていたが、感染対策の緩和などに伴い、不要不急とみられる通報が再び目立つようになった。重症化リスクの高い高齢者の搬送要請が増加傾向にあることも一因という。

救急車の適正利用を呼びかけている飯塚地区消防本部。手前は「限界」を訴えるポスター
 同本部によると、救急出動はコロナ禍前に年1万件弱で推移していたが、感染拡大を機に2020年は8456件、21年は8761件に落ち着いていた。

 しかし、22年は過去最高の18年(9969件)に迫る9961件まで増加。さらに今年5月にはコロナの感染症法上の位置づけが「5類」に移行したこともあり、今年上半期の出動件数は、22年同期を663件上回っている。

 この要因として、未就学児(生後1か月~6歳児)や、高齢者が入所する福祉施設からの搬送要請の増加が挙げられるという。

 未就学児の搬送は20年が183件だったのに対し、今年は上半期だけで208件。高齢者福祉施設からの要請も20年769件、21年890件、22年1035件と右肩上がりに増え、今年上半期も499件と、22年並みの水準で推移している。

 一方、今年に入り「子どもが虫に刺され、かゆがっている」「鼻づまりがひどい」「転んで下唇を切った」といった理由で搬送を要請するケースが出てきている。現場に到着した救急隊員が搬送を見送ろうとしても、保護者から「責任を取れるのか」と暴言を吐かれることもあるという。

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