労働組合の中央組織・連合が今年5月、社会保険制度の考え方について「第3号被保険者(3号)」の廃止も含めて検討することを打ち出した。3号は会社員らに扶養されている人が保険料を負担せずに年金に加入できる制度。なぜこうした議論をするのか、組織内に異論はないのか。社会保障担当の佐保昌一・総合政策推進局長に聞いた。

 ――議論の背景は。

 「連合を構成する産業別組織(産別)や地方連合会から、『就業調整』に関する指摘が増えてきた。年末になると扶養から外れないように労働時間を調整するため、人手不足になってしまう。このことをきっかけに社会保険制度について議論を求める要望があった」

 「政府の全世代型社会保障構築会議では社会保障や税制を働き方に中立的なものにしていくことが重要だとされている。厚生労働省の社会保障審議会の年金部会でも議論が始まった。連合として具体的な案が出てきた時にきっちりと発言できるようにしておきたい」

「今後、構成組織や地方連合会で議論してもらいながら1〜2年かけて考え方をまとめたい」

 ――就業調整を問題視するの…(以下有料版で,残り667文字)

朝日新聞 2023年10月30日 5時30分
https://www.asahi.com/articles/ASRBW4JMJRBRULZU007.html?iref=comtop_7_04