前述の通り、ヨーロッパ建築は「いかに気密性を高めて効果的に保温保冷するか」に主眼を置いているため、日本の冷暖房環境にも驚きを禁じ得ない様子です。

都内の戸建て住宅に暮らす40代男性に話を聞いてみると、ヨーロッパ人の驚きを肯定するかのように語るのです。

「正直、失敗したなと思ってます。僕自身は実家がマンションだったこともあり戸建てへの憧れがあり、当時住んでいたマンションの目の前に戸建てができたときには家族が増えた勢いもあって飛びつくように購入したのですが……。冬の室内がこんなに寒いとは、驚きと後悔しかありません」

この男性に限らず、冬の室内が寒いという悩みは少なくないようで、薄手アウターを羽織るなどして節電対策しているとの声も耳にします。

一方でデパートやショッピングモールなどの施設では、冷暖房を稼働させているにも関わらず扉が大きく開け放たれている場面に遭遇します。日本で生まれ育った筆者には取り分け珍しい事例ではなかったものの、ヨーロッパ人の夫からすると、あまりに非効率で仰天するといいます。

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