03月14日 08:10東京新聞

(東京新聞)
 今年一月、「水戸ご当地アイドル(仮)」の一員になった。歌とダンスに加え、世界一の口笛でグループに新風を吹き込み、水戸をアピールしようと張り切る。

 知っているのは「AKB48ぐらい」。アイドルにはまったく興味がなかったが、昨年十二月、(仮)のメンバーのソロライブにゲスト出演、
歌とダンスを披露した。「ちょっとやってみない?」という(仮)側のオファーに「新しいことに挑戦したい」と応諾した。

 初ステージは今年二月のバレンタインライブだった。中二の時、「空から自分に舞い降りた」口笛の演奏には絶対的な自信を持っているが、
一人のミスで崩壊してしまうグループのアンサンブルでは「いつもと違うドキドキ感」にしびれた。それでも子どもからお年寄りまで、これまで以上に幅広いファンの熱気に充足感を覚えたという。

 「心優しい人がいて、住みやすい水戸が好き」と断言する。都道府県魅力度ランキングで、常に茨城が最下位でも「ビリを突っ走って印象付けられればいい」と一笑に付す。
「いろいろなところで活動して、たくさん知り合いをつくりたい。人と人のつながりができれば、どんどん水戸に遊びに来てくれる」と思い描く。
マイナーな口笛の演奏を広めるため「有名になる」ことを目標に、たった一人、戦ってきた。これからは(仮)のメンバーたちと共に「世界に水戸の魅力を発信したい」と力を込める。

 童謡からJ−POP、クラシック、演歌…と、口笛のレパートリーは「数え切れないぐらい」という。「眠らない限り吹き続けることだってできる」と豪語する。
だが(仮)の歌とダンスは思った以上にクオリティーが高かった。歌って踊って、アンコールまで全力でステージ上を駆け抜けるため、現在、厳しいレッスン中だ。

 今春、都内の大学に進学する。口笛演奏、アイドル活動のほかに、バドミントンや馬術にも挑戦したいという。「やりたいことが多すぎる。でも気合で何とかなる。『生きてる』って感じ」

 憧れは親交もあるタレントのデヴィ夫人。「あきらめては終わり。探求心を持って挑むことが大事、と教えてくれた。学ぶところが多い」と話す。いつか、テレビのバラエティー番組で共演することが夢だ。 (林容史)

<かとう・まりな> 1998年12月、水戸市生まれ。2013年に米国で開催された口笛の国際大会13〜19歳部門で優勝。15年に「みとの魅力宣伝部長」を委嘱される。
今春、亜細亜大都市創造学科に進学。ペットのハリネズミや爬虫(はちゅう)類とすごすひとときが癒やし。水戸市在住。

http://news.goo.ne.jp/article/tokyo/region/tokyo-CK2017031402000170.html