【事実経過】

 大川小の教員らは地震直後、児童を校庭へ避難誘導し、保護者らが迎えに来た児童以外
 の下校を見合わせた。学校は海岸から約4キロ離れ、県の浸水予測では津波は及ばない
 とされていた。集まってきた地域住民の対応をしながら、ラジオ放送で情報を収集。午
 後3時半ごろまでに、従来と格段に規模の異なる大きな津波が三陸沿岸に到来し、大津
 波警報の対象範囲が拡大されたことを認識した。

 石巻市の広報車は、遅くとも午後3時半ごろまでに津波が北上川河口付近の松林を越え
 たことを告げて高台への避難を拡声器で呼び掛け、学校前の県道を通過。教員らはこれ
 を聞いていた。

 教員らはこの直後ごろ、大川小から西に約150メートル離れた河川堤防近くの県道と
 国道の交差点付近に向け、校庭にいた70人余りの児童とともに移動を決め、同35分
 ごろまでに出発した。大川小には同37分ごろ津波が到来。教職員と児童は歩いている
 間に津波にのまれ、裏山に逃れた教員1人と児童4人が生き残った以外、全員が死亡し
 た。

 【注意義務】

 広報車による避難呼び掛けを聞く前は、学校に津波が到来し、児童に具体的な危険が及
 ぶ事態を教員らが予見可能だったということは困難だ。この段階では県内に津波が襲来
 するという情報しか得ていない。裏山も土砂災害の危険はあった。

 だが、広報車の呼び掛けを聞いた段階では、程なく津波が襲来すると予見、認識できた。
 地震は経験したことがない規模で、ラジオで伝えられた予想津波高は6〜10メートル。
 大川小の標高は1〜1.5メートルしかなく、教員らは遅くともこの時点で、可能な限
 り津波を回避できる場所に児童を避難させる注意義務を負った。

 【結果回避義務】

 移動先として目指した交差点付近は標高7メートル余りしかなく、津波到達時にさらに
 避難する場所がない。現実に大津波到来が予期される中、避難場所として不適当だった。

 一方、裏山は津波から逃れる十分な高さの標高10メートル付近に達するまで、校庭か
 ら百数十メートル移動する必要があったが、原告らの実験では、移動は徒歩で2分程度、
 小走りで1分程度だった。斜面の傾斜が20度を上回る場所はあるが、児童はシイタケ
 栽培の学習などで登っていた。避難場所とする支障は認められない。

 被災が回避できる可能性が高い裏山ではなく、交差点付近に移動しようとした結果、児
 童らが死亡した。教員らには結果回避義務違反の過失がある。

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この判決はむちゃくちゃ

  裏山も土砂災害の危険はあった。
  広報車の呼び掛けを聞いた段階では、程なく津波が襲来すると予見、認識できた。
  一方、裏山は(-略-)避難場所とする支障は認められない。

二審ですべての不作為はなくなる
遺族側全面敗訴
もうねほぼ間違いないワケ