[東京 2日 ロイター] - 日銀のバランスシートが初めて500兆円を突破した。
2013年4月に導入した量的・質的金融緩和(QQE)によって、市場から大規模な長期国債の買い入れを継続しているためだ。

それでも目標とする物価2%への道のりは遠く、市場からは、バランスシートの膨張とともに、将来的な出口のリスクも膨らんでいる、との指摘が出ている。

日銀が2日に公表した営業毎旬報告によると、5月末現在の日銀の資産と負債の残高は500兆8008億円と初めて500兆円を超え、GDP(国内総生産)に匹敵する規模に膨らんだ。
1年前から約75兆円増加し、QQE導入前の2013年3月末の164兆3123億円と比べて3倍超となる。

資産サイドの国債の保有額は427兆2495億円と国債発行総額の4割程度を占める。
特に、このうち長期国債は390兆1912億円となり、QQE導入前の63兆円程度から6倍超とハイペースの増加を続けている。

もっとも、日銀は昨年9月の長短金利を操作対象とした「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入後も、長期国債の買い入れは保有額を年間約80兆円増加させることをめどとしているが、
5月末の長期国債残高は前年比71兆円程度の増加にとどまった。

国債保有の増加に伴い、負債サイドは金融機関が日銀に預けている当座預金残高が拡大。
351兆6824億円とQQE導入前の約58兆円から、こちらも6倍超に膨らんだ。

日銀は黒田東彦総裁のもと、物価2%目標を2年程度で達成すると宣言してQQEを導入し、
その後に同政策を拡大、マイナス金利政策やイールドカーブ・コントロール(YCC)政策などを追加して緩和策を強化してきたが、足元の消費者物価上昇率はゼロ%程度で低迷を続けている。

依然として物価2%目標の実現が遠い中、市場では、長期化する大規模緩和の副作用や、将来的な出口戦略が困難になる可能性に警戒感が強まりつつある。

出口局面では、当座預金の超過準備に対する付利を引き上げることが想定されるが、大量に保有する低利の長期国債との間で逆ざやが発生する公算が大きい。
緩和策の長期化によってバランスシートの拡大が続けば出口戦略の困難さが増すとともに、日銀財務の悪化度合いも大きくなり、通貨の信認のき損や、国庫納付金の減少による国の財政への影響などを懸念する声もある。

*内容を更新しました。(伊藤純夫)

配信 2017年 06月02日 10:28 JST(11:27 JST更新)
ロイター
https://jp.reuters.com/article/boj-balance-sheet-idJPKBN18T04P

★1が立った時間 2017/06/02(金) 11:20:40.05
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