BMWは、普通自動2輪免許で運転できるスポーツバイク「BMW G310R」の発売を全国の正規ディーラー(BMW Motorrad=モトラッド)で始めた。
BMWが日本国内で排気量400cc未満の中型バイクを発売するのは初めて。メーカー希望小売価格は58万円と比較的安価で、ライダーの注目を集めそうだ。

2017年6月1日に発売したG310Rは、排気量313ccの水冷単気筒エンジンを積む。
BMWによると、「その洗練されたデザインは(上級大型バイクの)S1000Rの遺伝子を受け継いでいる」という。
同社は「エンジンのシリンダーを異例なほど後方に傾斜させたことで、重心位置が低くなり、俊敏でコントロールしやすいバイクとなっている」とコメントしている。

免許の種類と排気量の関係

日本国内で、普通自動2輪免許で運転できる海外メーカーの輸入バイクは、
イタリアのドゥカティ・スクランブラーSixty2(399cc、メーカー希望小売価格89万9000円)、オーストリアのKTMのRC250(248cc、62万6200円)などがあるが、
少数派だ。BMWはじめ、ドゥカティ、英国のトライアンフ、米国のハーレーダビッドソンなど日本で人気の輸入バイクは大型2輪免許がなければ運転できず、
普通自動2輪免許保有者にとっては高嶺の花だった。

普通自動2輪免許は排気量400cc以下のバイクを運転できる免許で、かつては中型限定免許と呼ばれた。
一般的に50cc以下は原付バイク、50cc超125cc以下は小型バイク、125cc超400cc以下は中型バイク、400cc超は大型バイクと呼ばれる。
400cc超のバイクを運転するには、難易度の高い大型2輪免許が必要になる。

大型2輪免許は1996年の免許制度の改正で、指定自動車教習所で教習を受け、取得することが可能になったが、
それまでは運転免許試験場で「限定解除審査」と呼ばれる難易度の高い技能試験に合格しなければ取得できなかった。
このため大型2輪免許の保有者は普通自動2輪免許保有者に比べて少ないのが現実だ。


「手の届きやすい価格に設定」

今回、BMWは日本市場でライバルとなるドゥカティ、KTMと比べても安価な価格でG310Rを提供する。
58万円とは日本メーカーのライバルと比べても遜色なく、BMWは「BMWのバイクを初めて手にする方にも手の届きやすい価格に設定した」という。
これはBMWがG310Rをインドで生産し、日本に輸入するからで、BMWといってもドイツ本国の生産ではないことに留意する必要がある。

ホンダ、ヤマハなど国内で販売する日本メーカーのスポーツバイクも、
大排気量のビッグバイクなど一部を除けば、タイやインドネシアなど東南アジアで生産した安価なモデルが多数輸入されている。
バイクの世界はクルマ以上にメーカーの本拠地と生産国が必ずしも一致しないのが現実だ。

https://www.j-cast.com/2017/06/16300701.html?p=all