タイ米が3年ぶり高値 制裁解除のイランが買い付け

 コメの国際価格が上昇し、主力のタイ産は約3年ぶりの高値をつけた。経済制裁の解除に伴ってイランが買い付けを増やしたとみられ、出回りが抑えられた。為替市場でのタイバーツ高も響いた。日本の輸入価格も上昇する可能性があり、米菓や泡盛などの原料コスト増加につながりそうだ。

 タイ貿易取引委員会によると、6月中旬時点でのタイ米(白米100%の1級)の輸出価格は1カ月前に比べ10%高の1トン492ドル。2014年8月以来の高水準で推移している。

 ここにきて国際市場に買い手として復帰したイランの調達が伸びているもよう。イランは米英独仏中ロの6カ国を相手に核開発の制限を受け入れる「核合意」を締結。16年1月の履行後に、欧米が制裁を解除した。国際的な資金決済がしやすくなった。

 商社などによると直近のイラン政府と同国企業によるタイ米の買い付けは、白米(2級品)と香りの良いジャスミンライスだけで4万〜5万トンになるとみられる。「タイ米の輸出業者がイラン向けの供給確保に躍起になっている」(米農務省)との分析が出ている。

 タイの年間のコメ輸出量は1千万トン程度と世界最大規模。市場では「パキスタン産の新米が出回らない時期なので、タイ産の買い付けが集中したようだ」(木徳神糧)との声も聞かれる。

 タイバーツの上昇も国際価格を押し上げる。タイ米の輸出業者が為替相場の動向を見極めようと契約を手控え、供給が抑えられている。
(以下略)

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日経電子版 2017/6/22 21:58
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