東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の売却で、経済産業省が主導する「日米韓連合」との契約締結が7月以降に先送りされた。事務作業に時間がかかっているためだが、協業先の米ウエスタンデジタル(WD)との係争の解消を買収の条件とするかどうかでも調整が難航。さらに買収の枠組みも流動的で、決着は見通せない。

 連合の核となる政府系ファンド、産業革新機構の志賀俊之会長は30日、東京都内で報道陣に「契約調印は終わっていない」と語った。優先交渉先に選ばれた21日以降、東芝から開示された資料が多く、東芝メモリの資産査定に向けたチェック作業や、そうした情報の連合内でのすり合わせに時間がかかっているという。「何か問題があって作業がとまっているわけではない」と説明した。

 しかし、実際には、WDが起こした売却差し止めの訴訟の扱いを巡り、東芝と連合との間で意見の食い違いがある。関係者によると、連合側が、東芝とWDとの係争が解消するまで買収しない方針なのに対し、東芝は条件を外して欲しいと求めているという。

 また、志賀氏はこの日、「もっといいフォーメーション(枠組み)はあり得る」と述べ、連合の参加企業の枠組み変更の可能性も示唆した。対立の解消のためにWDを連合内に合流させることや、東芝自身による一部出資も検討されているもようで、流動的な要素が残っている。

 東芝は、米原発事業で発生した巨額損失を穴埋めするため、今年度中の売却完了をめざしている。各国の独禁法の審査で必要な期間を踏まえ、6月中を売却先決定のめどとする方針を、取引金融機関にも説明してきた。決着の遅れは、上場の維持や融資の継続に悪影響を及ぼす可能性もある。

2017年7月1日0時13分 朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASK6Z4JDVK6ZULFA011.html?iref=sptop_8_02

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