首都圏のホテルやレジャー施設でプールを夜間営業する動きが広がっている。暑さが和らぐ夜に照明を付け、音楽やアルコールを楽しみながら水辺で遊べるリゾート感覚で集客する狙い。プールは日中は家族連れが比較的多い。昼間とは異なる雰囲気で20〜30歳代の若者層を取り込むことで、客数を押し上げる効果を期待している。

 西武園ゆうえんち(埼玉県所沢市)は14日、午後5〜9時まで営業する「ナイトプール」を始める。音楽イベントを企画したり、夜限定で電球型の光るボトルに入れたドリンクを販売したりする。写真映えする商品やイベントの企画で、インスタグラムといった交流サイト(SNS)で写真を投稿する若者の取り込みを狙う。

 昨年は実験的な位置付けで20日間程度、夜間営業した。来客数は計約1万人で、若い女性が目立ったという。同園は「日中は家族連れが多いが、夜間は日焼けを気にする20〜30代を集客できる」とみる。今年の夜間営業は昨年比で7000人増が目標だ。

 女性ファッション雑誌と組んで夜間プールを運営するのは、東京プリンスホテル(東京・港)。ファッション誌「CanCam」とのコラボ企画で、若い女性向けに写真の撮影スポットを設置。ナイトプールと合わせた宿泊プランも提供する。

 高級ホテル「グランドニッコー東京 台場」(東京・港)も15日から、仕事帰りの女性らをターゲットに東京湾や都心の夜景を一望できるテラスプールで夜間営業を始める。スパークリングワインや軽食を味わいながらプールを楽しめる女子会プランを8月末までの平日限定で用意。「お台場の立地や眺望を生かしたい」(営業企画部)。

 7日からナイトプールを始めたシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル(千葉県浦安市)は、プールにシャンパンなどを提供するバーを併設した。夜間営業は毎週金曜日で20歳以上を対象にする。

 横浜中華街にあるローズホテル横浜(横浜市)は来年から、屋上に設置した屋外プールでの夜間営業を始めることを検討中だ。「昼間は中華街などを散策するので、夕方以降にプールを利用したいという宿泊客からの要望もある」(同ホテル)という

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO18839310T10C17A7L83000/