新たな金融テクノロジーがあふれるようになった銀行には、5−15年の間に「コダック・モーメント」が訪れ、過去の遺物と化す可能性があると、バークレイズ前最高経営責任者(CEO)のアントニー・ジェンキンス氏が述べた。

同氏は19日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、昔ながらの銀行は既に、スマートフォンなどのテクノロジーが業界を一新する「ウーバー・モーメント」を体験しつつあると指摘。

「コダック・モーメントは全く違う。もっと良い別の方法でやりたいことができることを顧客は実感する。そして、これまでの方法は時代遅れになる」と語った。「コダック・モーメントは今から5−15年の間に訪れると思う」と付け加えた。

19世紀に初の一般向けカメラを売り出したイーストマン・コダックは、デジタル化の時代に適応できず2012年に破産申請した。英国の金融業界では顧客がオンラインバンキングやモバイルバンキングに転じる中で、大手銀行が支店を閉鎖してテクノロジー投資を加速させると同時に、新興のフィンテック企業がリテールバンキング業務への参入を始めている。

銀行は資金を投じているにもかかわらず変身に苦戦するかもしれないとジェンキンス氏は述べ、それに適した「文化や考え方」がないと指摘した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-07-19/OTCDE56KLVRA01