http://www.iza.ne.jp/smp/kiji/economy/news/170714/ecn17071411000001-s1.html
 日本のインバウンドビジネスの開拓に奔走するジャパンインバウンドソリューションズの中村好明社長が訪日ビジネスの最前線を進む人々を迎え、「観光立国」実現に向けた道筋について語り合う大型対談「訪日ビジネス最前線 観光立国のフロンティアたち」。2016年最初の対談は、海外からのクルーズ船を誘致し、訪日外国人観光客の取り込みに成功した宮崎県日南市の崎田恭平市長をお招きしました。

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 日南市のクルーズ船誘致による観光振興策は、2016年9月に行われた安倍晋三首相の所信表明演説の中でも紹介され、全国的にも大きな注目を集めました。16年に2000万人を突破した訪日外国人観光客数は今後もさらに伸びることが見込まれ、訪日客をいかに地方に呼び込むかは地方創生の大きなカギを握ります。日南市の取り組みから地方に求められる観光戦略を探ります。(JAPAN style 訪日ビジネスアイ1月10日掲載)

中村 日南市の油津港にはクルーズ船が数多く寄港されています。今年度はさらに伸びることが期待されます。訪日外国人観光客を取り込みたい港湾施設を持つ地方にとってはうらやましいかぎりではないでしょうか。クルーズ船の誘致に向けて、これまでどんな工夫や努力をされていたのでしょうか。

崎田 油津港は、以前は6万トンクラスのクルーズ船までしか接岸できない港だったのですが、もともと水深が深くて、水域も広い天然の良港だったんです。少し改良すれば大型船の接岸も可能ということが分かっていたので、一昨年度に宮崎県が16万トンクラスのクルーズ船が寄港できるよう整備しました。

 クルーズ船の誘致に関しては、もちろん独自での活動も行いましたが、県や関係機関とタッグを組んで誘致活動をしっかりと行うことができたことが大きかったと思います。クルーズ船の乗客の受け入れに関しても、官民が連携し、地元に受け入れに関する協議会を組織して対応しました。おかげ様で16年は4年前の約3倍にあたる17隻が寄港しました。

中村 大型クルーズ船のような10万トン超の船舶となると、かなりの設備も必要になります。ハード面の整備に加えて、ソフト面での整備も欠かせませんが、具体的にはどういった取り組みも進めたのでしょうか。

崎田 日南市は小さい市です。私たちだけでなく、多くの自治体と手を組んで、広域的な対応をすることが大事だと考えました。県の応援だけでなく、周辺の市町に呼びかけて、広域観光協議会を組織したんです。呼びかけに対しては日南市のほか周辺9市町の協力を得ることができました。このことで、油津港を拠点とした観光地のバリエーションを増やすことができました。

 観光地のバリエーションを増やすのは非常に大切なことです。訪日客が船を降りて観光をするのに観光地が1カ所だけでは、すぐに飽きられてしまいます。国や県、各市町が魅力ある観光地づくりに取り組みました。そういった努力があったからこそ、クルーズ船の誘致でアピールをすることができました。


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