熊本県は28日、国内初となる県営荒瀬ダム(八代市)の完全撤去作業の一環として、球磨川の約2キロ下流にある藤本発電所建屋の解体作業を始めた。
平成24年9月から取り組んでおり、来年3月までに全ての構造物を撤去することを目標にしている。

発電所の建屋を除くと、残る主要な構造物は右岸の長さ約10メートル、高さ約25メートルの堤体と長さ約40メートルの取水施設、発電所近くの調圧水槽になる。
右岸の堤体は撤去予定だったが、遺構として残すために県が川の管理者の国と協議している。

藤本発電所は、鉄筋コンクリート製の地上2階、地下3階建てで、昭和29年12月〜平成22年3月に稼働。
県によると最大出力は1万8200キロワットで、年間供給電力は一般家庭約2万世帯の1年間の使用量に相当した。

荒瀬ダムは熊本県が昭和30年、球磨川に建設した発電専用ダム。
老朽化に加え、アユがすむ川の水質悪化の原因になっているとして、ダムを撤去し自然の状態に戻す作業が続けられている。

http://www.sankei.com/west/news/170728/wst1707280041-n1.html