世界の宗教者、手つなぎ平和祈る 比叡山メッセージ採択
2017年08月04日 23時20分
http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20170804000131

 比叡山宗教サミット30周年を記念する「世界宗教者平和の祈りの集い」は4日、京都市左京区の国立京都国際会館での分科会後、大津市の天台宗総本山・延暦寺で「世界平和祈りの式典」を催した。参加者たちは共に祈り、手をつないで一体感を深め、「比叡山メッセージ2017」を採択して2日間の日程を終えた。
 午前中の分科会では、「核廃絶と原子力問題」「貧困の追放と教育の普及」の二つのテーマに分かれて語り合った。午後の祈りの式典では、約1300人が、「平和の鐘」をつく音を合図に祈りをささげた。
 式典で、主催した日本宗教代表者会議名誉議長の森川宏映(こうえい)・天台座主は、平和の実現という理想を追い求め続けることの大切さを強調し、「地球上のすべての人々が、あらゆる恐怖や差別、貧困から免れ、世界平和が実現されるように共に手を携えよう」と呼び掛けた。その後「平和の交歓」として、参加者が隣同士で手をつないだ。
 比叡山メッセージは、テロや戦争、環境問題、核兵器廃絶、生命科学と倫理など多岐にわたって言及。30年前の宗教サミットで「宗教者は常に弱者の側に立つことを心がけねばならない」と宣言したことに対して「その責務を十分に果たしてきたとはいい難い」と認め、さらに平和のために努力することを誓い、「憎悪と排除からは争いしか生まれず、忍耐強い対話と他者の存在を受け入れる努力こそ平和への近道だ」と締めくくった。